読み聞かせるうちに親が癒やされる 長谷川義史さんの絵本
読み聞かせるうちに親が癒やされる 長谷川義史さんの絵本
妻です。
わが家では息子が幼児の頃、ほぼ毎晩、読み聞かせをしていました。
情操教育なんていう大げさなものではなく、夜は私自身が一刻も早く休みたいので、息子がすんなり寝てくれるように読み聞かせを入眠儀式にしていたのです。
なんでも受け流すおじいちゃんのお話
中でも私と息子のお気に入りは、長谷川義史さんという絵本作家の「いいからいいから」という絵本でした。
ストーリーをてっとり早くいうと、あるおじいちゃんがあらゆるハプニングを「いいからいいから」と受け流すお話です。
Amazon.co.jp: いいからいいから: 長谷川 義史: 本
続編が4まであるのですが、全作、ただただ受け流します。
おじいちゃんの果てしなく広い寛容の心はもはやギャグ。とにかくユーモラスで、微笑ましい魅力にあふれています。
おおらかでのびのびとしたタッチの絵。クスっとさせる、ちょっとしたアクセントも効いています。
息子が喜ぶので、おじいちゃんのセリフはしわがれ声でやりすぎなくらい鷹揚な調子で読みました。
お話の中のおじいちゃんは、とにかく何があっても怒りません。騙されても驚かされても。その事態を受け入れ、むしろ相手を気遣います。
そんなおじいちゃんの一挙一動を声に出して読んでいると、不思議とたまったイライラや悩みがとてもちっぽけなものに思えて、ほっと肩の力が抜けるような感覚になったものです。
帯のポエムに号泣注意です
この絵本、中身もさることながら、帯のポエムがとても素敵です。
ポエムというか宣伝コピーなのでしょうが、易しい言葉で綴られた世界観はシンプルゆえに胸を打たれます。
ただ、子育てに行き詰まった時などは、まさかの号泣を誘うことがありますから、コンディションの悪い時は注意してください。
おこってはいけない。
だれかがおこると だれかにでんせんして
だれかがまたおこる。
それがまただれかにでんせんして
なーんもいいことない。
せかいをへいわにするほんきのあいことば
「いいからいいから」 (長谷川義史「いいからいいから」帯より)
ベッドの上で転げまわって笑った瞬間が、私だけでなく、いつか大人になった息子にとってもかけがえのない思い出になればいいなぁと思う次第です。