いぬかさブログ

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未婚を揶揄する悪気なき紅白と夫婦ゲンカ

妻です。

性別への偏見から一方的に傷つけられた経験は大なり小なり誰でも持ち合わせていることと思いますが、昨日そうした偏見に強く憤るとある著名人のFacebook投稿をきっかけに犬も食わない夫婦ケンカをしてしまいました。

 

事の始まりはこれ。

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最近何かと注目されている気鋭の社会起業家・駒崎氏。この投稿に感銘を受けた夫が唐突にスマホを渡してきて、私に読むように勧めてきたのです。

 

ふざけるのやめよう、全然おもしろくない

 

読んでみると中身は至極真っ当で、田嶋陽子さん辺りは20年前から訴えていたことなので特段の新しさはありません。ただ、それを若く世の中に影響力を持つ男性が訴えているという点は確かにいいね!でした。

 

彼のやっている事業からすれば、このような正常な感性を持っているのは当然のことですが、それでもこうして、長い間、私たちが受けてきた辛苦や戸惑いを、わが身に置き換えて想像し、憤り、世の中に発信してくれたことは素直に嬉しい。喜ばしい。素敵やん、駒崎。

 

彼自身は年末の心休まる一時にとんだ不愉快な思いをさせられたと嘆いていましたが、私にとっては休み明けの日常が近づく憂鬱な年始の終わりに一服の清涼剤となりました。

 

もちろん一部のリアリストからは、これは予定調和のささやかな余興なのであり、輝かしい経歴をのぞけば、現在のところ人柄と負け犬キャラという武器しか持ち得ない吉田選手のタレント性を考慮して、彼女を魅力的に面白おかしく観せようというNHK側の配慮なのだから、そんなにいきり立つなという情状酌量の声もあがっていることでしょう。

 

駒崎氏の槍玉にあがったりゅうちぇるも然り。万人に受け入れられやすい表現を使っただけで悪気はなく、憂うべきは女性らしい女性こそ花嫁にふさわしいとする、この国に根付く悪しき価値観の方です。

 

しかし、しかしながら、やはり私たちは憤るべきだと私は思うのです。駒崎氏を「マジメか!」とつっこんではいけないと。

 

だって、もういいかげんやめてほしい。
未婚の女性を滑稽なものとして扱うことも、結婚を一人前の人間の証とすることも。
そういう価値観は下品で不勉強で、恥ずべきものという扱いにしていきませんか。もう2017年だぞ、おい。

 

私のような地方都市の平凡なワーキングマザーでさえ、物心ついた頃から女だというだけで理不尽な目に遭ってきたのです。その数はもう無数。自分の娘にはどうにかしてこんな思いをさせたくない。

 

NHK吉田沙保里もりゅうちぇるも悪くない。悪くないけれど、少しだけ反省して。どこかで誰かが傷ついているから。嫌〜な気分になっているから。
どうなんですか。嫌悪感を感じる人の数の方が、もう多数派なんじゃないの。

 

 

で…私たち夫婦のケンカの顚末は

 

スマホを渡された私は、てっきり夫が社会問題についてディスカッションしたいのかと思って、古き悪しき女性観の呪いに「憤る女」と、「むしろ心地よさを感じて受け入れる」女の二種類について話し出したのですが、夫はそれを遮って両者を十把一からげにし、いずれも駒崎氏のような非凡な人間とは違うと、「世の中を変える人」と「変えられない人」の二種類にすり替えやがりました。

 

その後も社会問題をビジネスで解決しようとすることの有効性と将来性ばかり讃えて、呪いがいかに至るところにひそんでいるかなど、この問題の本質にはまったく入ろうとせず。

 

ええ、世の女性への同情の言葉もありませんでしたし、一番身近な女性である私が経験した不愉快な出来事にも共感するそぶりもありませんでした。

 

そうです。彼が話したかったのは駒崎氏や社会起業の素晴らしさについてであり、それ以上でも以下でもなかったのです。


そんな夫にとっては、私も田嶋陽子も関白宣言を理想とのたまった平愛梨と一緒。なんなんだ。じゃあ、最初から議論ふっかけてくるような素ぶりすんじゃねぇ!

 

ああ腹立たしい。
あれから一日経ちますが、まだ仲直りはしていません!